請求書作成・送付業務のDX化による送付コストと人件費の削減

請求書の作成・送付業務は毎月請求書を発行し、郵送して終わりではなく、入金確認や督促など送付したあとの手間もかかります。非常に重要な業務ですが、その煩雑さから担当者に負担がかかっているケースも多々あり、改善の必要性を感じている企業、部門も少なからず存在しております。請求業務のDX化を推進することで担当者の負担を軽減するだけではなく、トータルでのコスト削減につながりますので、この記事では請求業務DX化における課題やメリット、解決策を解説いたします。

請求書作成・送付業務の業務DX化における課題とは

請求書作成とデータ管理における業務課題とDX化

請求書の作成業務は人力で行っているケースも多く、顧客の連絡先情報や契約内容が変更された場合、それを即座に更新しなければ、古い情報に基づいて請求書が発行される可能性があります。データベースの更新が遅れると、誤った請求が発生し、顧客からの信頼を損なうリスクがあります。手作業であるが上、データ入力や計算ミスが発生しやすく、請求の正確性を損なう可能性を考慮して、複数人での目視チェックが必要とされることから非常に業務稼働がかかることから、請求業務のDX化は、誤請求リスクの軽減、稼働コスト削減を行うためにも必要性は高いと考えられます。
請求書データの管理に関しても課題があります。例えば、顧客データと請求書データを別々に管理している場合は、情報の一貫性が失われることがあります。これにより、データの重複や不整合が発生し、正確な請求書作成が難しくなります。必要な請求情報や変更情報の共有や統合が困難になります。
以上のことから、請求書作成におけるDX化は自社のためにも、誤請求によってお客さまに迷惑をかけないためにも、必要不可欠です。

請求書送付における業務課題とDX化

請求書作成と同様に請求書送付に関する業務もDX化が必要であると考えられています。請求書を送付するためには、書類を作成して、印刷後に封書で送付する場合は封筒への書類封入作業と封緘作業が発生します。
その過程でまず正確な請求書送付先が記載されているかの確認からはじまります。顧客の送付先情報が最新でない場合、請求書が正しく届かないリスクがあります。特に、客が転居したり、連絡先を変更したりした場合、送付先の情報を正確に更新できていないと、請求書が届かず、支払いの遅延や未回収につながる可能性があるため請求情報の管理と最新化といったデータの管理に関してがDX化が必要であると考えられます。
請求書の封入・封緘作業も人手が多くかかる作業です。月に1回の請求書の封入・封緘作業に従業員総出で丸1日かけて行うという企業も少なくありません。
請求書送付業務におけるDX化推進は送付エラーリスクの軽減と業務稼働の軽減のためにも早々に対応が必要です。

請求書送付後の督促業務の課題

請求業務は請求書を作成、送付して終わりではなく、料金回収までが業務です。あらかじめ定められた期日までに料金の支払いが完了していないお客さまへは料金督促を行います。企業により督促の業務フローはさまざまですが、再度請求書を送付を行い、それでもお支払いいただけない場合は電話で督促を行うケースがあります。紙ベースの請求では、お客さまが請求書を開封して確認していただけたかについては架電以外では確認することが難しいため、どうしても電話による架電による確認業務が発生してしまいます。またお客さまの中には、日中電話に出られることが難しい方もいらっしゃいますので、再電話や折り返し電話への対応等々業務に不可がかかります。督促の管理や、お客さまステータスの管理のDX化、督促方法のDX化を促進させることで、請求督促の業務稼働軽減ではなく、収納率の向上にもつながります。

請求書作成・送付業務のコスト削減における課題とは

請求書作成、送付におけるコストの高騰

請求書の作成・送付におけるコスト削減を課題に掲げる企業は少なくありません。その背景として、原材料費や郵送費の上昇があります。紙の原材料であるパルプの価格上昇は、世界的な需要の増加や供給制限、環境規制の強化などが影響しています。特に持続可能な林業や再生可能資源の使用が求められる中、環境配慮型の原材料がコストを押し上げる要因となっています。
郵送コストに関しても動きがありました。2024年10月1日から日本の郵便料金が30年ぶりに大幅に値上げされることとなります。25グラム以下の定形郵便が現在の84円から110円に、また、はがきも63円から85円へと値上がりします 。この値上げは、電子メールやSNSの普及により郵便物の需要が減少していることが背景にあります。また、郵便料金の値上げに伴い、速達やレターパックなどの郵便サービスも値上げされます。これにより、企業は郵送コストが増加し、納品書や請求書などの郵送にかかる費用が大幅に上昇するため、コスト削減のために電子化への移行を検討する動きも出ています。

請求書作成・送付に関わる人件費

請求書の作成・送付にはデータの管理や印刷、封入・封緘、督促など多くの業務プロセスを経ることから多くの人が関わることから、稼働費(人件費)が多くかかる業務です。手作業での請求書作成・発行は、ミスが発生しやすく、修正や再発行にかかる時間と人件費がかさむことが課題です。特に、大量の請求書を処理する場合、その業務に割かれる人件費は無視できないものです。そこで、DX化を活用した人件費削減が注目されています。
DX化により、請求書作成・発行のプロセスを自動化することで、手作業の時間を大幅に短縮でき、エラーのリスクも減少します。さらに、請求書作成・送付業務効率化により、従業員が他の重要な業務に集中できるようになり、全体的な生産性が向上します。

請求業務のコスト削減のための施策例

請求書作成・送付業務をDX化することで、発行・郵送コスト削減、稼働軽減による人件費コストの削減するための施策案としては、次のようなものがあげられます。

請求書作成・送付業務フロー改善
最も着手しやすい解決策としては、請求業務フローの改善が考えられます。具体的には、業務の流れを可視化して負担がかかっている業務やスタッフなどを洗い出し、DX化による稼働削減できる箇所はないか確認していきます。業務負担の軽減は人件費削減にもつながります。
請求代行サービスに依頼する
請求代行サービスとは、取引先への請求書発行・封入・発送といった「請求にかかる業務を代行してくれるサービス」のことをいいます。サービスによっては督促や代金回収・与信審査といったサポートにも対応しているため、サービス料と自社で請求書作成・送付業務を完結させる場合の人件費を算出して、依頼した方が良いケースもありますので、予算にゆとりがある場合は依頼を検討したいところです。
ペーパーレス化によるコスト削減
請求書に限った話ではありませんが、紙媒体でのやり取りをデータ化し、ペーパーレス化するだけでも、紙や郵送費の上昇を考えれば大幅なコストカットにつながります。また、一部作業効率化されることで人件費削減にもつながります。特に個人事業主など小規模事業者の場合、インターネット環境とデバイスだけで請求業務ができるようになると、リモートワークにも対応しやすいでしょう。

請求業務におけるDX化とSMSソリューションの活用

請求書作成、送付業務のDX化

前述にあるように、請求書作成、送付業務のDX化は、企業として取り組むべき重要な課題です。請求書作成から請求書送付までの業務は、手作業が多く、時間とコストがかかることからDX化を推進することで、これらのプロセスが大きく変わります。例えば請求業務DX化に特化したSaaSサービスを利用することで、請求書の作成、追跡を全てオンラインで行うことができます。これにより、請求情報の管理、請求書の自動生成、支払いの追跡が効率的に行えます。また、電子請求書システムを使用することで、紙の請求書をデジタル請求書に変換し、SMS(ショート・メッセージ・サービス)などを通じて顧客に送信できます。これにより、郵送コストや印刷コストの削減が実現はもちろんですが、請求書作成・送付業務のプロセスが変わることから、稼働削減(人件費削減)にもつながります。

請求業務DX化においてSMSソリューション活用

前述にSMSによるお客さまへの請求情報の通知とございましたが、NTTタウンページのSMSソリューションを活用すれば、請求書の作成・送付業務のDX化を加速させることができます。例えば下記のようなシーンでSMSソリューションを活用することができます。

請求情報の登録
SMSソリューションでは、請求管理システムから抽出される請求情報CSVを用いて、一括で登録することが可能ですので、1件1件請求情報を記入、登録する手間が省けます。
請求情報の一括送信
お客さまへSMSを通じて、一括送信を行うので、請求書作成、請求書送付の必要はありません。紙の発行・郵送代と比べても、SMS配信代のほうが安価なので大幅なコスト削減が期待できます
決済
SMS記載のURLからクレジットカード決済、コンビニ決済、銀行口座登録をすることが可能なので、請求書作成、送付、決済までワンストップでDX化させることが可能です。
トラッキング
SMSを受信したお客さまがURLをクリックしていただけたか、決済手続きをしていただけたのか分単位で履歴を確認することが可能なので、次のアクションの検討材料とすることができます。

請求業務におけるSMSソリューション活用の効果

請求書作成・送付業務フローにSMSソリューションを取り入れれば、業務DX化による郵送コスト削減、人件費削減を叶えることが可能です。紙請求書の発行、郵送コストを削減はもちろんですが、現行のフローをSMSソリューションに置き換えることで、業務効率化を実現し、結果人件費の削減につながります。ある企業では、紙の請求書作成・送付業務に従業員総出で1日かけて行っていた業務がSMSソリューションを活用したところ30分もかからず業務が完了したり、またある企業では、紙ベースからSMSに請求方法を変更してから、収納率や決済完了率が上がり、電話での督促稼働が軽減されたりしたケースもあります。このようにさまざまな業務DX化による稼働軽減が期待できます。

まとめ

請求業務は個別に対応しなければならない場面が多く、請求金額の確定から入金確認・督促まで長いスパンでの対応が求められます。スタッフの負担を軽くするためには、できるだけ作業を自動化し、人力に依存する業務を減らす必要があります。
業務フローを改善するだけでも大きな前進ですが、請求業務を含む複数の業務の効率化に成功すれば、スタッフがより重要性の高い業務に従事できるでしょう。バックオフィス全般の業務効率化をめざすなら、できるだけ早く対策を講じることをおすすめします。
対策を講じるにあたり、どのようなサービスを選ぶべきかお悩みの方は、まずはお気軽に弊社・NTTタウンページまでお問い合わせください。

2024年8月執筆